DX(デジタルトランスフォーメーション)レポートと「2007年問題」

こんにちは、JSDGの阿久津です。

2月にデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するブログを書いてから、しばらくDXについて情報収集をして来ました。

特に、経産省から出されたDXレポートで問題提起されたITシステム「2025年の崖」に関わる、現状の日本企業の問題について。
つまり、レガシーシステムを保有する企業が抱える問題であり、その原因としては業務システムの肥大化・複雑化、技術的な老朽化、ブラックボックス化など多岐にわたっています。

ただ問題の本質としては、ユーザ企業におけるIT人材不足があり、そのためベンダーへの丸投げ体制が継続し、システム・業務のブラックボックス化が進んでしまったことが考えられています。

ここで、皆さん「2007年問題」を覚えていますか?

日経BP谷島宣之氏が執筆された記事
「『西暦2007年問題』の解決策を募集します」
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/free/ITPro/OPINION/20030408/1/
が良くまとめられて分かりやすいので、お薦めです。

冒頭に記載されているように「西暦2007年問題」とは、「企業の情報システムを支えてきたベテランSEが続々と引退している。このため,情報システムがブラックボックスになりつつある」との事です。

この記事で問題提起されたことは、16年経った今も、ほとんど何も変わっていないのが現状なのかと思います。

かつての基幹系システムを構築した「業務知識、IT,分析手法,そしてプロジェクト経験のすべてを兼ね備えた人材」が引退し、それを受け継ぐIT部門の人員は段々削減され、ベンダーに頼るしかなくなってしまっている…。
技術的にはメインフレームからオープン化、そしてクラウド化へと変遷しながらも、レガシーシステムは残り、運用保守にリソースが割かれている日本企業。
第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリシス、ソーシャル技術)を利活用する思い切った経営戦略に出ることができなくなってしまっているのが現状ではないかと思います。
一部、EXCELのマクロや、それを固定化するRPAが導入され、業務改善は進んでいますが、根幹にはレガシーシステムが残っているため、いつか破綻する時が来るのではないかと懸念してしまいます。

この現状を打破するためには、レガシーシステムの刷新が第一にあげられていますが、根幹の問題であるIT人材不足問題を解決していかなければ、また同じ事が繰り返されてしまいます。
今、問題を抱える各企業において、業務知識とITに詳しい、そして業務改革を遂行するリーダーとしての「シスアド」の活躍が求められているのではないかと思います。